遺言信託(遺言書作成) 

遺言は古代ローマ(紀元前5世紀)の法律に定められており、紀元前200年頃には一般的な慣行として利用されていたツールです。当時の利用目的としては、財産が細かく分割相続されて一族の力が衰えないようにするための手段として用いられていたようです。遺言信託はその言葉の通り、自らが作成した遺言が正しく執行されることを信じて、自らの『希望』や『想い』を託すというツールです。

遺言書を作成するデメリットはほとんど見当たりません。あえて挙げるすれば、遺言作成には手間がかかることと遺言の形式によっては多少の費用がかかるというところでしょうか。反面、メリットは数多く挙げられますが、主なものとしては下記の3点が挙げられます。

①自分が遺したい人に財産を遺せる
②相続トラブルの芽を摘むことができる
③相続人の相続手続きを簡単できる

遺言信託(遺言書作成)は古くから用いられてきたツールであるため、絶対的な力を有していると言うことができますが、遺言作成者が亡くならなければ、その効力が発揮されることは決してありません。この点だけは注意をして、自らの望みを実現させることが100%可能かどうかを見極めてから利用する必要があります。

公正証書遺言 

裁判官や検察官等の経験者である公証人によって証された遺言です。公正証書には裁判所の判決とほぼ同等の効力があるため、遺言者の遺志がそのまま執行される確率が高く、解釈の違いによってトラブルが生じるようなこともありません。公正証書遺言の作成には公証役場へ出向く必要がありますが、入院中などそれが難しい場合には公証人が出張して対応することも可能です。

<公正証書遺言の長所>
①形式不備が理由で遺言が無効になることがない ②公証人が遺言内容を確認するためその解釈が相続人や受遺者ごとに異なってトラブルが発生することがない ③遺言の原本が公証役場に保管されるため正本や謄本を紛失しても遺言自体が消失することがない ④遺言執行時に裁判所による検認が不要であるため余計な費用がかからない ⑤自筆証書遺言のように自筆で全て書く必要がない

<公正証書遺言の短所>
①専門家への手数料のほかに公証人に支払う手数料が必要となる ②費用面や準備面において頻繁に遺言を書き換えるには負担が大きい ③準備にどうしても時間が必要となる

自筆証書遺言

必要なものは、紙と封筒と印鑑、遺言を記すための筆記具だけでよく、いつでも思い立った時に作成することができます。費用もほとんどかからないため、何度でも書き直すことが可能です。手軽ではありますが、財産目録を除いて遺言はすべて自筆で記さなくてはならず、書き損じ等の訂正を行うことも可能ですが、その内容によっては遺言の効力が認められない場合もあります。

<自筆証書遺言の長所> ①いつでも簡単に書くことができる ②費用がほとんどかからない ③筆記具が握れる状態であれば準備に時間が不要

<自筆証書遺言の短所> ①形式不備のため有効性が認められない場合がある ②内容が不明瞭のため相続人ごとに解釈が異なりトラブルとなる場合がある ③遺言が保管されていることが遺族等に認知されておらず遺言執行されない場合がある ④悪意を持って隠匿や破棄される恐れもある ⑤逝去時に裁判所による検認が必要で専門家へ依頼すると結局費用がかかる

秘密証書遺言 

内容を秘密にしたまま、その存在のみを公証役場にて証明してもらう遺言です。遺言作成は本人が行いますが、代筆でもパソコン等で印刷したものでも自筆署名と押印(認印可)さえあれば有効と認められます。自筆証書遺言は自筆にて作成しなくてはならないため、それに比して作成という面においては簡単に行えます。しかしながら、公証人に支払う費用と証人が2人以上必要であることと、自筆証書遺言保管制度が運用開始となったため、公正証書遺言や自筆証書遺言と比べて優位性はやや劣ります。

<秘密証書遺言の長所>
①自筆で作成する必要がなく作成面でのハードルは低い ②遺言の内容を秘密にしておくことができる ③遺言の存在は公証役場が証してくれるので逝去時に存在を知られる可能性が高い

<秘密証書遺言の短所>
①形式不備のため有効性が認められない場合がある(秘密証書という性格上、専門家の支援がないまま作成されることが多く不備も増える) ②費用がかかり、手続きや準備にも時間がかかる ③公証役場で手続きを行ったにも関わらず逝去時に裁判所による遺言の検認が必要 ④遺言書の紛失および秘匿の可能性が残る

どの形式を選ぶのか

テトラの遺言作成支援サービスでは、どの形式を選択するのかはご本人の希望が当然ながら優先されますが、緊迫した事態や遺言に記される財産の多寡、遺言内容の複雑さなどを勘案し、まずは遺言が必要な形式を備えており有効なものとして取り扱われることと、お客様(遺言作成者)の遺志(遺言書)が正しく速やかに確実に執行されることに配慮した形式選択と遺言作成を目指します。遺言はまさしくお客様の最重要にして最後のメッセージです。ご要望やご希望など可能な限り細やかに対応させていただきますので、じっくりとお時間をお取り頂いてご相談させていただきます。